血の風呂に浸かるロシアのプーチン大統領に、ヤギに後ろから突き上げられるドイツのショルツ首相。
目の前に現れたのは、各国の首脳を皮肉るなどした、巨大な山車。
ロシアによるウクライナ侵攻は、世界の祭りにも影響を与えている?
いったいどういうこと?取材しました。
(国際部記者 松本弦)
●3年ぶり、伝統のカーニバル
2023年2月、ドイツ西部にある、多くの日系企業のヨーロッパ拠点でもあるデュッセルドルフは、熱気に包まれていました。
新型コロナの影響を受けて2年連続で中止されていた、伝統のカーニバルのパレードが3年ぶりに開催されたのです。
ドイツのカーニバルは地域によって特色がありますが、デュッセルドルフで開かれるものは、国内最大級です。
カーニバルは11月に始まり、ハイライトは「バラの月曜日」と呼ばれる2月20日のパレード。
この日、取材に訪れると、沿道には数十万人もの人たちが集まっていて、そんな中、ブラスバンドやダンサーなどが、通りを練り歩いていました。
報道席からその様子を取材していると、何やら遠くからでもわかる巨大なものが…。
●名物、風刺の山車
それは、とても大きな山車でした。
実はデュッセルドルフのカーニバルは、社会問題や政治を痛烈に風刺する山車が、最大の見ものなんです。
今年の“風刺の山車”の中でも注目を集めたのは、やはりロシアによる軍事侵攻。
まず出てきた山車は、プーチン大統領を風刺するものとなっていました。真っ赤な色の湯に浸かるプーチン大統領。浴槽は、ウクライナの国旗と同じ、青色と黄色に塗られています。
聞くと、赤い湯は、ウクライナの人たちが流した血を表しているのだそう。一方、湯に浸かるプーチン大統領は、平然とした表情を浮かべ、ブラシで体を洗っています。
●6本の腕があるプーチン大統領も
しばらくすると、今度は顔を真っ赤にして怒るプーチン大統領の山車が現れました。
手が6本あり、何かを叫んでいるように見えます。それぞれの腕には、ウクライナやアメリカなどの国旗が描かれ、すべてに「ナチス」という文字も書かれていました。
ウクライナや欧米などを「ナチス」になぞらえ批判するプーチン大統領こそ、「ナチス」のように見えるという皮肉が込められています。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_new...
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