EEZ基点の沖ノ鳥島、コンクリートで補強も
将来完全に水没する可能性…海面上昇で狭まる国土
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2021年の報告書によると、
世界の平均海面水位は18年までの約120年間で約20cm上昇した。
世界の平均気温が2100年までに産業革命前の水準から約2度上昇すれば、
海面はさらに約40cm上昇すると予測する。
日本の砂浜は大幅に失われる恐れがある。有働恵子・東北大教授らが
IPCCの予測を基に分析した結果、1990年頃に計278平方キロあった砂浜は、
2100年に74%(約2度上昇の場合)が消失すると推計された。有働教授は
「すでに10~30%が失われた可能性がある。消失に伴い、砂浜が持つ津波や
波浪の被害を軽減する効果も失われてしまう」と懸念する。
標高が海面より低い「海抜ゼロメートル地帯」も、3大都市圏を中心に拡大する。
東京都は2030年代までに東京港の防潮堤約24kmを60~80センチかさ上げする
計画だ。清水有人・都水防対策担当課長は「長期的な視点で対策する必要がある」
と強調する。
安全保障政策に直結する排他的経済水域(EEZ、海岸から200カイリ=約370キロ)
にも影響が出かねない。
日本最南端の沖ノ鳥島は、国土面積を上回る約40万平方キロに及ぶEEZの基点だ。
ただ、満潮時は北小島と東小島しか海面上に残らず、04年の民間調査で満潮時の高さは
それぞれ16cmと6cm。政府は消波ブロックとコンクリートで補強するが、将来完全に
水没する可能性がある。
EEZは国連海洋法条約で定められるが、海面上昇で海岸線が後退した場合の明文規定はない。
政府はEEZを維持できるよう、上昇前の海岸線を基準とする法解釈の採用を各国に呼びかけてきた。
国際司法裁判所(ICJ)は昨年、「気候変動に関する勧告的意見」として、上昇後も領海や
EEZを変更する義務はないとの見解を示した。日本の主張が認められた形だが、
法的拘束力はない。外務省幹部は「国際会議などで地道に働きかけを続けていく必要がある」
と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20260828-GYT1T0030...
返信する