GDPを需要項目別の内訳(寄与度)で見ると、国民の実質的な購買力や民間企業の投資による「純粋な民間内需」の伸びはほぼゼロ、あるいは壊滅的な状態にあります。
しかし、公式発表のGDP統計では、内需(消費や投資)がそれなりのプラス数字として計上されています。これには、生活の困窮という現実を覆い隠す2つの「統計上のカラクリ(かさ上げ)」が存在します。
1. 「消費」の伸びのカラクリ:政府のバラマキ(買い替え支援)
中国政府の公式データ(ジェトロなど)によると、2025年〜2026年上半期の実質GDPでも「最終消費支出」はプラスを維持しています。しかし、これは国民が豊かになって自発的にお金を使っているわけではありません。
• 耐久財の買い替え支援(以旧換新)による底上げ:
政府は家電や電気自動車(EV)などの買い替えに対し、巨額の補助金を出す政策を連発しました。
• 「生活必需品」へのシフト:
国民が購入しているのは、補助金が出た家電や日常の食料品・サービスが中心です。旅行や高級品の消費は激減しており、日本総研などの分析でも「消費の実態はマクロ数字とは大きくかけ離れて冷え込んでいる」と指摘されています。
国民は将来不安から「生活防衛のための最低限の消費」に徹しているのが現実です。
2. 「投資」の伸びのカラクリ:民間はマイナス、政府が無理やり補填
内需のもう一つの柱である「投資(総資本形成)」も、中身はボロボロです。
• 民間投資は実質マイナス:
不動産バブルの崩壊により、住宅投資は前年比マイナス18%と壊滅的な落ち込みを続けています。デフレで儲からないため、民間企業も設備投資を完全に凍結しています。
• 政府の国債乱発によるインフラ投資:
民間が誰も投資しないため、中国政府が自ら国債を大量に発行し、地方の道路や鉄道、AIデータセンターなどのインフラへ無理やり資金を投入しています。
• 「在庫の山」も投資に含まれる:
GDP統計のルール上、「企業が製品を作ったものの、売れ残って倉庫に積まれた在庫」も「投資(在庫変動)」としてプラスにカウントされます。
国内で売れず、海外でも規制されて行き場を失った過剰生産分の「在庫の山」が、皮肉にもGDPの数字を押し上げてしまっているのです。
結論:実態は「外需頼みの一本足打頭」
直近(2026年4〜6月期)の実質GDP成長率4.3%の内訳を見ても、消費や投資の勢いは期を追うごとに低下しています。
世界のシンクタンクやエコノミストの多くが「中国経済は内需が完全に消滅しており、外需(輸出)だけでかろうじて立っている状態」だと一貫して分析しています。
そのため、前の質問で触れた「各国による輸出規制の強化」が本格化すると、このメッキが剥がれ落ち、成長率が2〜3%台へ急落する国難を迎えると言われています
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