
突如、現れた黒のプリウス
「刹那は友だち数人と、河原で花火をしていました。花火が終わり、みんなで友人の家に移動した後に、刹那を含む4人が『バイク出そう』という話になり、2台で出ていったそうです。ある場所まで行って、帰うとUターンしたとき、突然黒のプリウスがパッシングしながら追いかけてきた。時速は80キロくらい出ていたみたいです。
車の窓にスモークがかかっていて、何人乗っていたのかはわからなかったそうですが、『少なくとも助手席には誰か乗っていた』と聞いています」(清水さんの友人)
車列の先頭を走っていた刹那さんは、犯行現場から1.7キロほど離れた交差点で急ハンドルを切り現場方面へ左折。後続していた友人は直進し、煽り運転をしていた車は清水さんを追っていった。清水さんの友人が続ける。
「刹那が曲がった道は速度も遅めだし、道幅も狭いので、プリウスからすると追いやすかったのではないかと思います。刹那と別れた知り合いはいちど、花火をやっていた友人たちのところへ戻ったそうです。その後、スマホの位置情報アプリで刹那の位置情報を確認すると、同じ場所に何分もいるとわかった。心配になって電話をかけると、本人ではなく刹那の後ろに乗っていた子が出て『助けてください』とテンパった様子だったみたいで……」
尋常ではない様子に、彼らのうち女性2人が現場に向かい、119番通報をした。
「SNSでは『通報した人たちも事件の関係者じゃないか』とも書かれていましたが、あくまでも助けた側で、加害者とはまったく関係ありません。通報の後、僕の友人が現場に着いた時には、刹那とバイクに乗っていた子はすでに現場から離れていたそうです」
暴行があったと思われる時間から30分以内には、複数の友人たちが清水さんのもとに駆けつけたという。しかし、すでに清水さんは息も絶え絶えの状態だった。
「刹那にはわかりやすい外傷はなかったため、頭を殴られたことはあとで知ったそうです。でも目から涙を流していて、意識は朦朧とした状態だった。仲間が大きい声で呼びかけたとき、いびきのような『ガーッ』という音が喉から出たそうです。意識のない時のいびきって\"ヤバい\"証拠なんですよね。
近くにバイクが倒れていましたが傷がある程度で、衝突したような大きなへこみなどはなかったようです。
周りにいた奴らはその後、刹那の自宅を訪れ、お父さんに起きたことを伝えてその日は解散しました。この時点では、誰ひとり刹那が亡くなるとは思っていなかったみたいです」(同前)
約2日後、清水さんは脳挫傷で息を引き取った。県警が捜査を続けているが、被疑者と思われる人物はいまも行方をくらませたままだ。
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