■「白黒のパッケージ」では売れない
この問題はカルビーだけにとどまらない。
日本経済新聞の報道によれば、伊藤ハムも同様のパッケージの白黒化を検討しているという。
ナフサ不足による印刷インク不足は、食品業界全体を「色のない売り場」へと向かわせつつある。
この騒動を見て、率直に私は「白黒のパッケージでは売れない」と感じた。
もちろん、短期的に見れば、レア感や物珍しさから買う人もいるだろうし、応援の気持ちを込めて買おうという人もいるだろう。
ナフサの供給が安定するまでの暫定的な措置であれば、それほど大きな影響はないかもしれない。
しかし、「これを機にパッケージの過剰な色付けやデザインはやめるべき」「白黒でいい」という意見に対しては、
私は否定的な見方だ。長期的に見れば、この施策はよいとは言えない。
パッケージの色を失うことは、単なるデザインの問題ではない。それは商品の「顔」そのものを失うことなのだ。
私は資生堂で33年間勤務し、うち約20年を商品マーケティングの現場で過ごした。
その経験から言えることがある。
色には、消費者の脳を動かす強力な力がある。そしてその力を失ったとき、売り上げへの影響は想像以上に大きい。
■色は「味」を書き換える
なぜ消費者は、白黒のポテチだと「買う気がしない」と感じるのか。
その理由は、脳の深いところに刻み込まれた「色と味の自動連想」にある。
食品科学の研究者・ダボーズ氏らが1980年に行った実験は、この現象を鮮烈に示している。
チェリー風味の飲料を緑色に着色して被験者に飲ませると、多くの人が「ライム味だ」と答えた。
同じ飲料をオレンジ色にすると、今度は「オレンジ味だ」と言う。
味は同じなのに、色が変わるだけで、脳が「感じる味」を変えてしまうのだ(※1)。
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