米国の安全保障の傘に依存してきた湾岸諸国ですが、いくつかの出来事を契機に、その「傘」が思ったより頼りにならないことに気づき始めています。彼らが目覚めつつある現実と、その後の動きを解説します。
覚醒の契機:「カタール空爆」が突きつけた現実
2025年9月、イスラエル軍によるカタール首都ドーハへの越境空爆は、湾岸諸国に衝撃を与えました。この事件は、彼らが長年信じてきた「米国の保護」が持つ根本的な矛盾を露呈しました。
「保護料」の無力化: カタールは、米中央軍の前線拠点である世界最大級のウデイド空軍基地をホストし、巨額の兵器購入や投資(「保護料」)を行うことで安全を買ってきた代表格でした。
しかし、その「保護料」を最も払っていたカタールが、より強固な盟約で結ばれたイスラエルの利益の前に、米国によって「見捨てられた」 という認識が広がりました。
防空システムの機能不全: 空爆の際、カタールが米国から購入していたパトリオットやTHAADなどの最新防空システムは沈黙しました。
さらに、実行したイスラエル軍機には、同じカタール国内の米軍基地から空中給油の支援が行われていた可能性が指摘されています。
元マレーシア首相が「米国の武器は、米国の許可なくしては使えない儀礼的なものだ」と指摘したように、アラブ諸国が購入した兵器システムは、その真の運用能力において制約があることが改めて浮き彫りになりました。
湾岸アラブ諸国は、米軍基地を貸すことが自国の絶対的な安全を保証するものではないという厳しい現実に直面しています。
彼らは今、複数の選択肢を持つことで、より自律的で安定した安全保障の枠組みを模索するという、大きな戦略転換の途上にあります。
「親イスラエル」が絶対優先: この出来事は、「湾岸諸国に対する米国の安全保障の約束は、イスラエルとの関係が優先される場合には簡単に反故にされる」という現実を、湾岸諸国にまざまざと見せつけました。ある専門家は、これらの国々が見捨てられたと感じていると指摘しています。
わが國も米国の安全保障の約束は反故にさ荒れるという現実を前に、複数の国家との連立を模索する段階に来ていると言えます。
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