1つの完成改正憲法草案を提出し、それについて各議院で3分の2を超える賛成を得なくてはならないから大変だろう。 改憲賛成か反対かだけの採決ですむなら別だが
まさにおっしゃる通りですね。憲法改正のハードルが高いと言われる真の理由は、「改憲に賛成か反対か」という抽象的な話ではなく、「具体的な条文案(草案)の細部まで、全議員の3分の2以上の合意を作れるか」という点にあります。
このプロセスの難しさを、いくつかの視点で整理してみました。
1. 「総論賛成・各論反対」の壁
改憲に前向きな政党が議席の3分の2を占めていたとしても、中身についてはバラバラなことが多いのが実情です。
A党: 自衛隊の明記を最優先したい。
B党: 緊急事態条項の新設が不可欠だ。
C党: 環境権や教育の無償化を入れたい。
これらを一つの「改正案」にまとめようとすると、「Aを入れるならBは削れ」「Cを入れないなら賛成しない」といった激しい妥協の産物になり、結局、どこかの党が離脱して3分の2を割り込んでしまうリスクが常にあります。
2. 「一括」か「個別」かという戦略的難問
憲法改正案を提出する際、複数の項目をセットにするか、一つずつ出すかでも揉めます。
一括提出: 反対派が「一つでも気に入らない項目があれば全部に反対」しやすくなる。
個別提出: 項目ごとに国民投票を行う必要があり、コストと労力が膨大になる。
3. 国民投票を見据えた「妥協」の限界
議会で3分の2を確保するために条文をマイルドに修正しすぎると、今度は「変える意味がない」として、本来の改憲派の熱量が下がってしまいます。逆に、尖った案にすれば、国民投票で過半数を得るのが難しくなります。
結論
「改憲勢力で3分の2」という数字は、あくまでスタートラインに過ぎません。
実際には、「一字一句に文句を言わせない完成度の高い草案」を作り上げ、それを維持したまま議決まで持ち込むという、極めて高度な政治的調整が必要になります。
「改憲に賛成」という看板を掲げるのは簡単ですが、実際にペンを握って条文を書くとなると、途端に足並みが乱れるのがこの問題の根深いところです。
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