ヤフーオークション(ヤフオク)でアイヌ民族の「戸籍簿」と称する物が落札された問題をめぐり、政府は26日、「関係省庁において事実関係の把握に努めている」とする答弁書を公開した。
社民党の福島瑞穂参院議員の質問主意書に答えた。
落札されたのは、表紙に「旧土人戸籍写 豊栄尋常小学校」と書かれた物で、今月7日に落札された。
出品物は個人情報に関するガイドライン違反として、ウェブページは削除された。
福島議員は質問主意書で「過去にもネットオークションで壬申戸籍が売買されたが、出品者の特定や回収、再発防止は制度化されていない。
これは、アイヌ民族への差別を助長し、人権を毀損(きそん)する問題だ」と指摘。
そのうえで、ヤフオクを運営するLINEヤフーに対して勧告措置を検討しているか、政府として回収をするか、などを問うた。
政府は答弁書で、規制や回収、再発防止について「答えることは困難」とした。また、LINEヤフーに対する勧告は「対象とならない」と答えた。(大滝哲彰)
■「血の気が引いて、かたまってしまった」
出品された「戸籍簿」。アップされた写真には、児童とみられる個人名や、両親の名前、性別などが手書きの青字で記されていた。
旭川出身のアイヌ民族の40代女性は、その中に曽祖父の名前を見つけた。
「血の気が引いて、体がかたまってしまった」。7日に気付き、知らない人の手に渡る前に落札しようとしたが、値段はどんどん上がっていった。
最終的に50件を超える入札があり、夜には6万3千円で落札された。
LINEヤフーには、曽祖父の名前があることも明記したうえで「違反報告」をしたが、回答があったのは落札後の9日だった。
出品物は「ガイドライン違反なので削除した」とのこと。
だが、LINEヤフーによると、「ウェブページを削除しただけで、出品物は落札者のもとに渡っている可能性が高い」という。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASTDV2S24TDVIIPE00...
返信する