去年末に発見された小惑星が、現時点で2032年に2.2%の確率で地球に衝突するおそれがあるという推定をESA=ヨーロッパ宇宙機関が発表し、今後も注意深く、観測を続けるとしています。
ESAによりますと、この小惑星は去年12月27日に新たに発見され、直径は40メートルから90メートルとみられています。
発見後、小惑星の動きを観測した結果、今月7日時点でこの小惑星が2032年12月22日に2.2%の確率で地球に衝突する可能性があるといういうことです。
ESAでは、地球に近づく可能性がある1700以上の小惑星を追跡し、リストにしていて、今回の小惑星は、現時点で潜在的な衝突の可能性がもっとも高くなっています。
この大きさの小惑星は数千年に1度の割合で地球に衝突していて、衝突した場合、地域に深刻な被害を与えるおそれがあるということです。
ESAによりますと、長期間、観測することで正確な軌道が特定され、地球に衝突するリスクがゼロになるケースが多いということで、今後も注意深く観測を続けることにしています。
小惑星などをめぐっては、仮に地球に衝突すれば大きな被害が出るおそれがあるため、2022年にNASA=アメリカ航空宇宙局が小惑星に探査機を衝突させ、軌道を変える実験を行うなど、各国で対策の研究が進められています。
●JAXA吉川真チーム長「今後の推移を見守ることになる」
JAXA=宇宙航空研究開発機構は、天体の衝突による災害を事前に防ぐための活動を行う「プラネタリーディフェンスチーム」を、今年度(2024年度)から設置し、国連のグループに参加して、今回の小惑星の観測情報の共有などを行っているということです。
吉川真チーム長は今回の小惑星について「現時点での衝突確率では、今後の推移を見守ることになる。この小惑星はことし5月初めごろまで観測が可能と考えられていて、次に観測できるようになるのは2028年半ばごろになり、その間は情報が得られない。観測で軌道の推定精度が上がっていく過程で、ほとんどの場合は衝突の確率がゼロに近づくと予測されている」としています。
一方で、詳しい観測の結果、衝突が確実視された場合の対応については「国連のグループで対応が検討されることになり、この小惑星に探査機を送ることや、衝突回避を行うことが考えられる。それが実行できない場合、衝突予測地点や被害を受けそうな場所から人々を避難させる計画を検討することもありえるのではないか」としています。
動画あり
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250209/k1001471710...
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