架空の24歳下妹の戸籍偽造した夫婦、健康保険証を不正取得で再逮捕

【就籍（しゅうせき）】・・・　様々な事情で戸籍を持たない人が、新たに戸籍を作る手続き。戸籍法などに基づき、裁判所が本人の聞き取りや身元を証明する書類などをもとに、許可するかどうか判断する。法務省によると2022年度は74件、21年度は85件の届け出があったという。




実在しない人物の戸籍を作成し、24歳年下の「妹」になりすましたとして警備員の吉野千鶴容疑者（73）=東京都大田区=と夫（65）が有印私文書偽造・同行使などの疑いで逮捕された事件で、警視庁は10日、偽造書類で国民健康保険証をだまし取るなどしたとして千鶴容疑者を詐欺容疑などで再逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

大井署によると、再逮捕容疑は、2021年11月下旬、実在しない人物「岩田樹亜」になりすまし、住民異動届を偽造して大田区役所に提出して住民基本台帳に登録させたり、国民健康保険被保険者証をだまし取ったりした疑いがある。

　千鶴容疑者は21年11月上旬、家庭裁判所に対し、「岩田樹亜」の戸籍を取得する家事審判を申し立てていた。署は、申し立て後に大田区内に住所があるとして手続きしたとみている。

　千鶴容疑者は夫と共謀し、千鶴容疑者が24歳下の「岩田樹亜」になりすまし21年11月上旬に家裁、22年9月には大田区役所に、それぞれ偽造した書類を提出して戸籍を作成するなどしたとして今年10月22日、有印私文書偽造・同行使などの疑いで逮捕されていた。

　千鶴容疑者はこれまでの捜査に容疑を認め、以前勤めた警備会社で70歳を超えて仕事内容が制限されたことを挙げ、「年齢による差別を受けているように感じ、ストレスを感じていた」と供述。「一人っ子で幼い頃から妹がほしかった」「戸籍上で自分も若い年齢になりかわることができると思った」とも話していた。

前回の逮捕後、年齢を詐称していたとして警備会社を解雇され、現在は無職だという。

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