【ユミ(仮名)/年齢:47歳 交縁歴:1年】
1児の母であるユミ(仮名)は現在、生活保護を受けながら都内のアパートに一人で暮らしている。
子供は施設に預けているというが、その理由は教えてくれなかった。
大久保公園には、生活保護ではカネが足りなくなったときだけ立っている。
双極性障害の症状に苦しみ、働く気をなくした彼女の過去は壮絶だった。
「共働きだった両親ともにネグレクトで母からは虐待も受けていました。
妹と2人で家にいたのですが、冷蔵庫を開けてもニンジンが1本しかありません。
親が帰ってくると2人とも家から追い出されるので、万引をして飢えを凌いでいました」
ユミは小4、妹は小2だった。友達の家に泊まらせてもらったり、神社の境内で寝泊まりしたりしていた。
妹に「もう死んじゃおうか」と聞くと、「うん」と答えた。
2人で近くのマンションの屋上に行くと、自分よりも先に妹が飛び降りようとした。
「この子を死なせてはいけないととっさに思い、妹にしがみつきました。“私が悪かった”と、泣いて謝りました」
そんな生活が2年間も続いた。育児放棄され、街をさまよっているユミを餌食にする男もいた。
「おじさんにいきなりトイレに引き込まれて、下着を脱がされて、体中を触られることが何度もありました。
その後、私のパンツを持って逃げるおじさんもいました」
いつしか、性的な行為に強い嫌悪感を覚えるようになった。
結婚は一度したが、夫は覚せい剤で逮捕されていなくなった。
大久保公園には、「仕方なく、嫌々立っている」と話す。
ユミの過去には同情せざるを得ないが、子供が負の連鎖に巻き込まれていないか心配でならない。
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