2012年に対馬の観音寺から盗まれ韓国に持ち込まれた県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像」が来週、引き渡されることが決まりました。
観音寺の田中節孝前住職によると引き渡しは24日、仏像が保管されている韓国・大田の施設で行われ、
その後、仏像の所有権を主張していた韓国の浮石寺に貸し出し100日間の法要が行われるということです。
仏像の対馬への移送は5月になると見られます。
引き渡しが決まったことを受け田中前住職は「仏像が盗まれて13年、円満に解決しほっとしている」と喜びを語りました。
5月の移送時には田中前住職が韓国に迎えに行き寺で法要をしたあとセキュリティの高いところに保管したいとしています。
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■「日本が奪ったものを盗み返しただけ」不満の声も
長崎県によると、観世音菩薩坐像は「朝鮮半島の高麗銅造仏で、制作時と安置寺院のわかるものは稀であり、誠に貴重な尊像」だという。
像内から発見された結縁文(けちえんぶん)には「高麗国瑞州浮石寺」「天暦三年」などの記述がある。天暦3年は西暦1330年に相当する。
そんな貴重な仏像は、韓国の窃盗団が2012年10月に観音寺から盗み出した。
韓国の警察は2013年1月に韓国内で窃盗団を逮捕し、仏像を回収している。
ただ、ここから問題はさらに複雑化する。浮石寺がこの仏像は数百年前に倭寇に略奪されたものとし、所有権を主張したからだ。
以降、最高裁まで裁判が続き、2023年10月にようやく所有権が日本にあるとの結論が下った。
韓国の最高裁は、他人の物であったとしても一定期間、問題なく占有した場合、所有権が移転するとみなす「取得時効」の法理に基づき、仏像の所有権が日本の観音寺に正常に移転したと判断した。
そんな仏像がいよいよ日本へ返還されるというわけだが、韓国内では不満の声が大きい。
オンライン上では「最高裁がそのように判断したのであれば仕方ないが、私たちも日本から返還されるべき文化財が山ほどあるのではないだろうか」
「日本が奪ったものを元の所有者が盗み返したのに、所有権が盗人にあるというのか?おかしな論理だ」
「倭乱(文禄・慶長の役)で奪われた私たちの文化財も返してもらおう」
「文化財にも取得時効が適用されるのか?滑稽だ」といったコメントが寄せられた。
韓国で法要を終え、無事に仏像が日本へ返還されるのか注目される。
https://www.ncctv.co.jp/news/article/1558895...
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