>>3 人間は、「希死念慮」(「死にたい」という気持ち)を
抱えているだけでは、死への恐怖に打ち勝ち、なおかつ、
生存本能という最大の本能に逆らってまで自殺を決行することは
非常に難しく、ほぼ不可能に近い。
フィクションで描かれるような、理性を保った状態での「覚悟の自殺」
などというものは非常に稀であり、たとえば武士の切腹も、
厳密に言えば自殺ではなく、処分・処刑の一形態に過ぎない。
ところが、うつ病になると脳がエラーを起こし、希死念慮に加えて、
「今すぐ死にたい!」「今死なないと!」という強い焦燥感を伴う
抑えきれない衝動に突然見舞われることがある。
この「自殺衝動」という“症状”は、死への恐怖心や生存本能をも
軽く凌駕するほど強力であり、日頃どんなに家族思いの人であっても
遺される家族の気持ちを考えることすらできなくなってしまう。
そのメカニズムを熟知している精神科医ですら、自身がうつ病になると
自殺衝動に抗えずにしばしば自殺に至るほどであり、ひとたびこの衝動が
生じてしまうと、理性、精神力、倫理観などは何の役にも立たなくなる。
このように「いてもたってもいられない死に向かうエネルギー」が
自殺衝動なのだが、非常に強い代わりに、その衝動は長くは続かない。
ピークは5~10分と言われている。
誰かと30分も話していると落ち着いた状態になるため、
人に相談することが非常に有効。
「相談しても、私が抱えている問題は解決できないので意味がないです」
と反論する人も多いが、相談は「問題解決」が目的ではない。
誰かに相談するだけでホッとする…つまり「ガス抜き」の意味合いと、
自殺衝動が生じた時に、収まるまでの時間稼ぎをするという意味がある。
相談には、間違いなく寸前で自殺を食い止める効果がある。
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