「レディ?レディ?」。2024年後半、ラオスの首都ビエンチャンで訪ねた売春拠点のひとつで、若い男がそう声をかけてきた。
うなずくと、ぐいっと腕をつかまれ、敷地の中へ引っ張られていく。周囲には看板も人通りもない。
交通の便も悪く、情報がなければ売春拠点とは判断がつかない場所だ。
実態を把握するために記者は客を装い、偶然近くにいた日本人客3人に同行する形で売春拠点に入った。
客はいずれも30代ぐらいの男だった。
建物内は閑散としていて、管理人はわれわれを部屋のひとつに案内した。
扉が開くと、少女7~8人ぐらいがプラスチック製の椅子に座り、スマートフォンを見たり、おしゃべりしたりしていた。
中学生ぐらいの年代で、発育が遅い可能性を考慮しても、彼女たちが未成年であることは明白だった。
「この部屋にいるのは14歳で、70万キップだ」。管理人が少女を指さしながら、選ぶように迫ってくる。日本円で5千円ぐらいということになる。
少女達はちらちらとこちらに視線を投げながら、またスマートフォンに目を落とす。目から警戒感が伝わってくる。
▽「もっと若い子を」。客の要望に管理人は
同行した3人の客はしばらく少女たちの様子を眺めた後、スマートフォンの翻訳アプリで、より若い少女を希望すると管理人に伝えた。
すると、近くで待機していた他の男が立ち上がり、われわれを建物内の別の部屋に案内した。
部屋の前のげた箱が目に入った。子ども用の靴やサンダルが並んでいて嫌な予感がする。
扉が開くと、室内は半分ぐらいマットレスのようなものが敷き詰められていた。
そこに小学校高学年ぐらいの少女約10人が寝転がっている。
管理人は「この部屋にいるのは10歳だ」と言う。驚いて年齢を改めて問うと、手元の電卓で「10」と打って示してきた。
「10歳」の少女達もまた、それぞれスマートフォンを持っており、ショート動画を見ながら指で画面を手繰っていた。
客たちは身を乗り出して少女を選ぶ。
先ほどの中学生ぐらいの少女達がいた部屋と少し様子が異なる。少女達が無邪気なのだ。
こちらに全く興味がなさそうにスマートフォンから目を離さない子もいたが、多くは不思議そうに視線を投げかけてきた。
中には立ち上がって笑顔を向ける子もいた。学童保育で過ごす子どもたちのようだと錯覚する。
客は管理人と値段交渉を始めた。150万キップ。日本円換算で1万円程度の金額で折り合った。
最初に案内された中学生ぐらいの子たちよりも年齢が下がったことで、価格は倍になった。
客の1人は「楽しみだ」との趣旨の軽口をたたき、指名した子の手を引いた。男と少女の後ろ姿が目に入る。
体格差が歴然としている。別の日本人客もそれぞれ少女を指名し、別の部屋に向けて移動した。その場で客の買春を制することはできなかった。
記者の身分を隠しており、怪しい行動を取れば、管理人らに拘束される恐れがあった。(以下略)
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