台湾の鴻海精密工業が、経営不振に陥っている日産自動車の経営権取得に向けて出資するとの意向を伝えた。
事情に詳しい関係者が明らかにした。
非公開の情報であることを理由に匿名を条件に話した関係者の一人は、鴻海が関心を持っているのは工場などの設備だけではなく会社全体だと述べた。
日産が交渉に応じたかや拒否したかなどについては明らかになっていない。
日産の広報担当者はコメントを控えた。鴻海にコメントを求めたが現時点では得られていない。
日産を巡ってはホンダの青山真二副社長が18日、日産と経営統合に向けた協議を開始するとの報道を踏まえて、それも含めたさまざまな選択肢を検討していることを明らかにしていた。
日産は主力市場である米国や中国での販売不振などで急速に悪化。
世界で生産能力の2割削減や9000人のリストラに踏み切るなど苦境に立たされており、株価も低迷を続けていた。
鴻海やホンダなど他社との資本提携が実現すれば経営の立て直しにつながる可能性があり、
18日の株価は一時ストップ高となり、ブルームバーグの記録に残る1974年以来の日中上昇率となる前日比24%高の417.6円まで買われた。
スマートフォンの受託生産で急成長した鴻海は電気自動車(EV)製造参入も進めており、世界各地の拠点で自動車生産ラインの設置を進めている。
経営不振で大きく下落している日産株の取得を通じて、自動車製造のノウハウなどを取得できる可能性がある。
鴻海を巡っては、日産で副最高執行責任者まで務めて退社した幹部である関潤氏が23年に鴻海に移籍、EV事業で最高戦略責任者を務めているという経緯もある。
仮に、鴻海が日産救済に乗り出す場合、関氏が古巣の構造改革に関与する手はずなのだろう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-12-18/SOO4W...
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