悲惨なのが、身近な人が陰謀論に強く傾倒するケースだ。
NHKの取材コメントからもその辛さが伝わってくる。
「妻が『コロナはウソだ、ワクチンを打つと2年後に死ぬ』などの情報を信じ、
小学生の子どもとデモ活動に参加しています。
コロナの話をすると口論になるので、家での会話はほとんどありません。」
「両親とも陰謀論を信じ込み、その影響で私がストレス性の胃腸炎に1ヶ月に2回なってしまいました。
政治家などの権威のある人が言った事は“全部ウソ”という受け止め方をするんです。
我慢できなくなり、私が実家を出てひとり暮らしをすることになりました。」
家庭崩壊するだけでなく、中には離婚に至った事例もある。
このように身近な人が陰謀論にはまってしまった場合、残念ながら特効薬はない。
重要なのは、頭ごなしに否定しないことだ。
頭ごなしに否定すると関係が悪化するだけでなく、バックファイア効果(自分の考えを否定されると、
かえってより強く自分の考えを信じ込んでしまうこと)でより反発して強固に陰謀論を信じていく可能性がある。
根気よく共有の経験や思い出を話すなどしてしっかりとコミュニケーションをとることや、
陰謀論の真偽について口論をせずに自ら疑念を抱いてもらうように促すことなどが推奨されている。
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