この「コロナワクチンは人口減少を目論んだものだ」という陰謀論、
日本でも少なくない人が信じていることが分かっている。
筆者の研究チームが調査したところ、この陰謀論を知っている人は4.2%存在し、
さらにその中で11.1%の人がその情報を信じ、31.4%の人が正しいかどうか分からない
と回答したのである。
つまり、この情報を知った人の10人に1人以上は信じているのだ。
こうした陰謀論が広まる理由として、英国ケント大学は次の3つを指摘している。
・知識への欲求:パンデミックやテロ事件が起きた理由を知ろうとする。その中で間違った場所に答えを見つけてしまう人もいる。
・安心したい欲求:自分が事態を制御できていないことについて、その説明を求める。
・優越感への欲求:「他の人が持っていない情報を持ち、真実を知っている」と考えることで気持ち良くいられる。
忘れてはいけないのは、こういったことは誰にでも起こり得るということである。
人は皆認知バイアスを持っている。
要するに、自分の信じたい陰謀論を、自分の欲求のままに信じてしまうのは、
ある種自然なことなのである。
だからこそ、我々一人一人が「自分も陰謀論にハマるかもしれない」と注意しながら
情報と接する必要があるのだ。
返信する