現時点で、日本においてもっとも広範に「ウソの飽和攻撃」を展開しているのは、
兵庫県知事選における斎藤元彦候補の陣営であるように観察される。
そもそも、この県知事選は、斎藤元彦県知事(当時)に対して、県幹部が職員に対する
パワーハラスメントやプロ野球チーム優勝パレードの不正などで内部告発。
これに対して斎藤県知事(同)が、当該幹部を特定して懲戒処分を下し、
幹部が自殺したことから始まる。
県議会は全会一致で、斎藤知事(同)の不信任を決議し、彼が失職を選んだ結果、
選挙となった。
県議会全会一致の不信任、というのはよくよくのことであって、
事実認定としてかくも強力なことはなかなかない。
が、なぜか選挙戦終盤近くになり、斎藤前知事は「あの人、実は良い人なのでは」と、
徐々に支持を集めている。
何が起きているのか――11月12日になって、斎藤陣営がXに持つアカウントに
生成AIによるフェイク画像をアップしたことが明らかになった。
演説する斎藤前知事の前に多数の群衆が集まるという画像の、群衆部分が
AIで生成したフェイクだったのである。
どうも斎藤陣営は、ネットとリアルの選挙運動の双方で、「ウソの飽和攻撃」
を行っている可能性が非常に高いように私には思える。
それが人々の認知をゆがませて、選挙戦終盤での支持率上昇となって現れているようだ。
私は、この週末の兵庫県知事選の結果が、今後の日本の政治状況に対する
試金石になると感じている。
ここで斎藤前知事が勝利するようなら、日本の政治においても「ウソの飽和攻撃」
の効果は「あり」だと認めることになる。
今後の選挙は地方選挙から国政選挙に至るまで、ことごとく「ウソの飽和攻撃」
だらけとなるだろう。
返信する