首都圏で相次いでいる一連の強盗事件で、逮捕された容疑者の供述などから実際に使われた闇バイトの募集内容が明らかになりました。逮捕された「実行役」などは、なぜ闇バイトに応募し、どのように犯罪に足を踏み入れていったのか。
「ルフィ」などと名乗る指示役のもとで行われた強盗事件の一部に「実行役」などとして関わり、実刑判決を受けた20代の被告がNHKの記者の接見に応じ、「闇バイトに応募するのは終わりの始まり。最後に待っているのは懲役刑だけだ」と話しました。
被告によりますと、闇バイトに応募したきっかけは、生活費や遊興費などで200万円以上の借金を抱えていたことでした。
SNSで「日当10万円」「高額バイト」などと書かれた投稿を見つけて連絡すると、相手からは一定時間が経過するとメッセージが消える秘匿性の高い通信アプリでやりとりするよう指示されました。
当初は、1回につき10万円で特殊詐欺の受け子や出し子を紹介されましたが、その後、「タタキがある」と言われ、被告が「タタキとは何か」と尋ねると、「強盗だ。報酬は1回につき100万円」だと言われたといいます。
●「相手が丁寧で信用し個人情報送ってしまった」
強盗に関わることになったことについて、被告は「強盗をすると警察に捕まるかもしれないという不安はあった。多額の現金を手に入れるには、普通の仕事では難しく、悪いことでもしないと稼げないと思った。警察に捕まるリスクよりお金がもらえることを優先した」と話しました。
その際、相手から免許証の写真や家族の住所などを送るよう求められたということで、被告は「リスクは少し考えたが相手が丁寧で信用してしまい、普通の仕事と同じで個人情報が必要だと言われて送ってしまった」と話しました。
●「応募したら逃げ出せなくなった」
1件目の強盗事件に関わり、100万円余りの報酬を受け取った被告に対し、指示役は「別のタタキの案件がある」と再び強盗に加わるよう求めてきたといいます。いったんは断ったものの、「こっちは個人情報を持っている」とか「家族を探す」などと脅され、やるしかないと思ったということです。
被告は「相手は態度をひょう変させて、本当にひどい目に遭わされると思った。脅されたときに警察に相談することも考えたが自分がやった強盗がバレるのが怖くて、捕まりたくなかったので相談しなかった」と話しました。
そして、2件目の事件に実行役として関わったあと、逮捕された被告は、懲役9年の実刑判決を受け、現在は、控訴中です。事件を起こしたことについて、被告は、「どうしてもお金が欲しくて応募したら逃げ出せなくなった。こんなことになるなんて想像できなかった。被害者の方には申し訳ない」と振り返りました。
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