「『台湾有事』が起きて事態がエスカレートした場合、あなたはどのように邦人救出をしますか」
15日朝、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、自民党総裁選(27日投開票)に立候補した9人の討論番組を筆者は見ていた。中国が台湾併合に乗り出した際の対応について、司会者から各候補に質問があった。
まず、自衛隊が海外の邦人保護をする際、自衛隊法は「当該外国の同意」を求めている。中国が台湾周辺を封鎖した場合、台湾にいる邦人を救出するうえで、「同意」を要するのは中国か、それとも日本と外交関係のない台湾なのか。全候補者が「台湾」と答えたのは、正解といっていいだろう。
中国は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」とする「一つの中国」原則を主張している。この主張を日本政府は「十分理解し尊重する」という立場だ。だが、有事の際は、「国交承認」は関係なく、実際に支配している台湾当局と調整をすることになる。
続いて、中国が台湾封鎖に踏み切った場合、邦人救出するうえでの事態認定について質問があった。
高市早苗経済安保相(63)は集団的自衛権を限定行使できる「存立危機事態」の可能性を指摘した。林芳正官房長官(63)は「私が首相になったときは、法律を少し超えるところがあってもやりたい。その後、責任を取って辞任する」と踏み込んだ。
いずれも、「自衛隊の最高指揮官」としての意思を示したことは評価したい。ただ、中国が軍艦を使わずに海警局の監視船を使って封鎖してきたのに対し、「存立危機事態」といえるかは疑問が残る。また、「台湾有事」は1度だけ起こるとはかぎらない。複数回起きた場合、その都度、首相が辞任しなければならなくなる。
これに対し、石破茂元幹事長(67)は「少なくとも重要影響事態だ」と指摘した。重要影響事態は「米軍への後方支援法」であって、日本周辺の事態を認定する「存立危機事態」と一直線上にあるわけではない。しかも、今回の想定は、米軍が関与しているわけではないので、「重要影響事態」は関係がないのだ。「防衛通」といわれる石破氏ですら、有事に関する知見が十分ではないことが露呈した。
そもそも、日本における「台湾有事」の政策シミュレーションでは、事態認定ばかりに焦点が当たることが多いようだ。しかし、事態認定はあくまで手段であって目的ではない。極論を言えば、林氏の言うように多少、法を踏み越えたとしても、無事に邦人を帰国させれば問題はない。
その中で、最も適切な回答をしていたのが、小林鷹之前経済安保相(49)といえよう。以下ソース
https://www.zakzak.co.jp/article/20240921-6MY5T5CHSFIV5...
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