子宮けいがんなどを防ぐHPVワクチンをめぐって、厚生労働省は接種の機会を逃していた女性が無料で接種できるキャッチアップ接種を実施していますが、期限が今年度末となっていることから、周知するためのキャンペーンを開始しました。
子宮けいがんなどを防ぐための「HPVワクチン」をめぐっては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次いだことなどから、一時、積極的な接種の呼びかけが中止されましたが、有効性や安全性が確認できたとして、おととし4月、積極的な呼びかけが再開されました。
そして、呼びかけを中止した期間に接種していなかった、1997年度から2007年度生まれの女性を対象に、公費で打てる「キャッチアップ接種」が実施されています。
無料で接種できるのは来年3月末までですが、接種は3回行う必要がありおよそ半年かかることから、期間内に終えるためにはことし9月末までに1回目を受ける必要があります。
一方で、厚生労働省がキャッチアップ接種の対象者に、制度を知っているか尋ねたところ、およそ半数が「知らない」と回答したということで、厚生労働省は全国の7つの大学でキャンペーンを行うなどして、周知を進めています。
●専門家「夏休み期間のこのタイミングに検討を」
周知キャンペーンを企画した厚生労働省参与で、静岡社会健康医学大学院大学の溝田友里准教授は「ワクチンを接種するかは個人の判断によるもので、周りが強制するものではなく、期限が迫っているから急いで受けなければいけないというものでありません。また、初めて接種する場合にはやはり副反応の心配もあると思いますので、スケジュールに余裕がある夏休み期間のこのタイミングに、効果とリスクについて十分に知ったうえで、検討していただきたい」と話しています。
また、大学生などが住民票がない市町村で接種を希望するケースが多いことについて「住民票がない市町村で接種を希望される場合は住民票がある市町村にまずはお問い合わせください。多くの自治体では住民票がない地域でも受けられる措置を取っているので気軽に相談してほしい」と呼びかけていました。
●横浜では医師らが重要性伝えるセミナー
HPVワクチンを一部の年代の女性が無料で接種できる期限が近づく中、医師などが接種の重要性を伝えるセミナーが横浜市で開かれました。
21日のセミナーでは、医師や啓発活動に取り組む大学生らが登壇し、子宮けいがんにより国内で毎年およそ2900人が亡くなっていることやHPVワクチンの接種でおよそ9割が防げると説明しました。
そして「キャッチアップ接種」について、公費での接種は来年3月までで接種が3回必要なことから、3回を期間内に終えるにはことし9月までに1回目を打つ必要があると伝えていました。
神奈川県産科婦人科医会の佐治晴哉理事は「有効性や安全性について理解を深めていただき、不安な点があれば遠慮なく問い合わせてほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240721/k1001451774...
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