すでに発言から15年近くが経過し、当時のことを知らない有権者も増えているため、まずは問題の発言の経緯をおさらいする。
この発言は、民主党政権下の行政刷新会議(事業仕分け)のうち、2009年11月13日に開催された、
次世代スパコン事業を対象とした第3WG(以降「当該会議」と記載する場合あり)で出たもの。
蓮舫氏は文科省・農林水産省・防衛省などが分類された第3WGで評価者(いわゆる「仕分け人」)を務め、
「次世代スーパーコンピューティング技術の推進」(以降「本事業」)の評価も担当。
同事業で説明を担当した文科省と独立行政法人 理化学研究所(以降「理研」)は、スピードが世界1位になる重要性を訴えて、
翌年度(2010年度)予算として267億円(前年度比77億円増)を要求した。
しかし、わずか72分間の当該会議終了時に下された判定は、事実上の凍結。
この会議の中盤に蓮舫氏の「2位じゃダメなんでしょうか?」発言が飛び出した。
その後、周知の通りテレビをはじめとする大手メディアは「科学に疎い蓮舫議員が、1位を獲るべき重要性を理解できず、
『2位ではダメなのか?』と役人に質問した結果、次世代スパコン事業を事実上の凍結とした」という筋書きに沿った映像を繰り返し流した。
今回の都知事選出馬をきっかけに拡散されている過去映像もおおむねこの筋書きに沿っている。
しかし、驚くべきことにこれは「報道のキリトリ」であって「実際の全容」とは大きなギャップがある。
正しくは、「スパコン利用者2名を含む参加者全員の総意として、数々の不安要素が解消されず見直しが妥当な状況のため、凍結になった」に過ぎない。
このギャップは映像を視聴していただければ一目瞭然だ。 →
https://youtu.be/RL04aNIhgT... *事業仕分け:2009年に政権交代を果たした民主党政権の目玉政策の一つ。
予算のムダをなくすため、各事業の要否を評価者(国会議員および民間有識者)が判定。
わずか1~2時間の制限時間で、担当府省からの説明、評価者との質疑応答、
判定(廃止、予算計上見送り、予算要求の縮減、予算要求通り等)までがスピーディーに一気に行なわれたこともあり、注目を集めた。
https://shueisha.online/articles/image/25083...
返信する