■「見られた」「触られた」苦情相次ぐ…“気持ち悪さ”の背景
群馬県みなかみ町の小学校で、内科検診中に「医師に下半身を見られた」「触られた」といった苦情が相次ぎ、泣き出す児童もいたという。
担当した70代の学校医は「成熟と成長のずれ、第2次性徴を見るのがとても大事。乳房の発達も目で見て確認した。
肌に触れたのは肝臓の肥大を確認するときだけ。陰毛の確認は全ての生徒に行った。
それほどショックを受けるとは思っていなかった」と話している。
この学校医に対し、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介氏は「最初にこのニュースを見たときは、子を持つ一人の親として気持ち悪いと感じた。
医師がいわゆる変態的な行動をとったのかと思ったが、調べてみるとこの医師は性分化疾患の専門家で、学会の会長なども歴任した権威だった。
そこで、今度は『別の種類の気持ち悪さ』を感じた。最大限好意的に解釈すれば、この医師は専門家として、自分にしか見つけられない病気を早期に発見しようと考えたのかもしれない。
しかし、事前の同意や説明を軽視する姿勢からは、生身の人間ではなく研究対象、サンプルとして児童を見ているような印象を受けてしまう。
『病を見て人を見ず』は医師のあるべき姿ではないと言われるが、まさしくその典型例ではないか」と分析した。
さらに神庭氏は「医師は『ショックを受けるとは思っていなかった』と話しているが、感覚がアップデートされていない。
学校の検診でここまでの検査が必要だったかも疑問だ」と指摘した。
一方で、検診は虐待などに気づける数少ない機会でもあるため「完全に肌を露出しない、見せないというのは行き過ぎではないか」との見方もある。
神庭氏はこうした意見に理解を示しつつ、次のように述べた。
「文科省は、検査時の服装として原則的に『体操服や下着、タオルなどで身体を覆い、児童生徒のプライバシーや心情に配慮する』ことを求めている。
また、正確な検査・診察のために、医師が体操服や下着、タオルをめくって視触診するケースもあるが、そうした場合にも『児童生徒や保護者に対して事前に説明を行う』ことを通知している」
「ほとんどの場合、学校や医師がこうした方針に従って事前に説明をし、児童や保護者の理解を得ているはずで、今回のケースはそれを怠ったのが最大の問題。
真面目な医師にまで疑いの目が向けられてしまうと、風評被害にもつながりかねない。
児童生徒の健康管理のために必要な検査については必ず説明し、同意を得る。
子どもや親の信頼を損なわないことが大切だ」
ニュース動画
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