券売機を新紙幣対応に更新する費用が100万円超――。
新紙幣の発行が始まるのを前に、券売機を更新する費用が高額なことが、物議を醸している。
2024年7月3日、1万円札は現在の福沢諭吉から「渋沢栄一」に、5000円札は樋口一葉から「津田梅子」に、
1000円札は野口英世から「北里柴三郎」に、肖像が変更される。
2月25日、東京新聞は《新紙幣の対応に100万円かかる!? 「しんどい。これ以上は…」ラーメン店の嘆き》と題する記事で、券売機の更新費用を報じた。
報道によると、ラーメン店などにある、1000円札のみに対応した券売機は、更新に70万円かかる。
5000円札や1万円札に対応させたり、キャッシュレス決済の機能をつけたりすると、追加でそれぞれに50万円ほどが発生し、多くの場合、更新費用は100万円を超えるという。
東京都葛飾区では、券売機を置く麺類などの店は約200店ある。葛飾区は30万円を上限に、更新にかかる費用の半額を補助する方針を打ち出した。
だが、原材料費の高騰に加え、券売機の更新費用が追い打ちをかける。
東京・亀有のラーメン店では、しばらくは券売機を更新せず、新紙幣の客には手作業で旧紙幣と交換するつもりという。
また、2月25日、「日刊SPA!」は、お札を入れるとパチンコ・パチスロ用の玉やメダルを貸出す「台間サンド」や
両替機を新紙幣に対応させるのに費用がかかるとして、1000~2000店ものパチンコ店がつぶれる可能性を報じている。
新紙幣が発行されるのは、おもに偽造防止対策の強化のためだ。
だが、そのために券売機の更新に多額の費用がかかることに、SNSでは憤慨する声があがっている。
《こないだ新500円硬貨対応機種を入れたばかりという店も多いだろう。キャッシュレスは手数料も取られるし。
ただでさえインボイスで実質消費税増税の影響食らってるのにしんどすぎる》
《これって国がなんとかしなきゃいけないんじゃないのか? 新紙幣を喜んでんのはキャッシュレス決済の業者と両替機メーカーだけじゃねえのか?》
《新紙幣に対応できなくて多くのラーメン屋が閉店の危機らしいがそんな国でキャッシュレス社会は夢のまた夢だな》
2021年11月からは、新500円硬貨が発行されているが、いまだに使えない自動販売機も多い。
政府は、2025年の大阪万博までにキャッシュレス決済比率を40%、将来的には80%台を目標に掲げている。
だが、新紙幣への対応と、キャッシュレス決済の導入という二兎を追って、目標は達成できるのか、疑問だ。
https://smart-flash.jp/lifemoney/275282...
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