環境省は1月、種の保存法に基づいて「国内希少野生動植物種」に新たに「リュウジンオオムカデ」と、
与那国島に生息する「ウスオビルリゴキブリ」、宮古島に生息する「ベニエリルリゴキブリ」の3種を加えると発表した。
これらは、トキやヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコらの“人気者”たちと肩を並べることになった。
指定を受けた動植物は採取したり、捕まえたり、売ったり、殺したりしてはいけない。
もし違反した場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられる。
法人の場合は、さらに1億円以下の罰金の可能性もある。
では、目の前に希少野生動植物種に指定されたゴキブリやムカデが現れた場合、どうしたらいいのだろうか。
環境省の担当者は「罰則が適用されるかは個別の事案による判断」としつつも、「捕まえたり、傷つけたりすると法律上は問題になる。
そのままにしておくか、触らずに外に出すように誘導して」と答えた。
なお、今回指定されたリュウジンオオムカデは主に渓流に生息し、ゴキブリの2種も森林に生息するため、「人が生活する場所には現れない」という。
保護するにもきちんと理由がある。環境省が調べたところ、リュウジンオオムカデについては愛好家の間では高値で取引されていたといい、
その金額は2万8000円にもなるという。ゴキブリの2種は、取引は確認されなかった。
だが、希少野生動植物種の選定を行う委員会の議事録によると「森林(環境)の悪化等の影響を受けている」
「ゴキブリにしては美しい種で捕獲される恐れがある」などと委員から意見が出されて指定が決まっている。(途中略)
とはいえ、ゴキブリには違いない。環境省の担当者は「そのままにして」と言っていたが、そんなことは可能なのか。
「触ったらだめ」と言われたが、じゃあどうやって逃がせばいいのか――。
柳沢さんに記者が聞くと少し苦笑いしながら対処方法を教えてくれた。
「ゴキブリを触った人はあまりいないと思いますが、意外にもろく、軟らかいのです。
触れただけで脚や羽が破損する可能性があり、環境省の担当者のアドバイスは妥当です」とした上で、
「ゴキブリの進行方向に紙をおいて、それに乗っかったら外に逃がしてください。カップに入れるのも有効です。
そうすれば傷つけずに逃がせます」とのことだ。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20240219-OYT1T50048...
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