当初の想定費用から約2倍の2350億円、大阪市民の負担額は一人当たり約1万9000円に膨れ上がった2025年大阪・関西万博の会場建設費。
万博推進本部長を務める吉村洋文大阪府知事にとっては想定内なのかもしれないが、大阪府民や市民、国民からの“監視の目”は厳しくなる一方だ。
そんな中、2億円もの費用を計上して物議を醸しているのが、会場内に設置する“公衆トイレ”。
なんでも40カ所あるトイレのうち、若手建築家が設計するデザイナーズトイレを8か所設置するといい、うちの2か所の設備費用がそれぞれ約2億円になる。
256事業者から選ばれた建築家は全員が30代で、今後の設計・デザイン業界を背負っていく精鋭と言えよう。
そんな彼らが設計する、中には2億円の費用を要するデザイナーズトイレ。
すでに数名は公式HPやSNSにて、建築パースや完成イメージ図を公開している。
・「残念な計画」トイレ
《建築に"いのち"を宿す、をテーマにアニミズムの思想や石庭の文化をパークボーンにもつ日本において、石で楽しいトイレをつくりたいとおもいます》
K氏が設計した“石のトイレ”だが、その柱に利用としたのが、約400年前に大阪城の石垣を築くために切り出されるも、訳あって使用されずに放置された通称「残念石」。
これを万博で“再利用”して「万歳石」に変えようと、K氏を含む3人がプロジェクトを立ち上げた。
ところが、再利用計画に異を唱えたのが“お城博士”として知られる、城郭考古学を専門とする名古屋市立大・千田嘉博教授。
《木津川市の「残念石」を大阪・関西万博のトイレの柱にする計画。
「残念石」は、矢穴や石材加工によって切り出した石のかたちに歴史的価値があります。さらに400年前に切り出して運べるように大坂へ川でつながった赤田川岸などに保管していたという石材の所在そのものに歴史的価値があります。》
自身のX(旧ツイッター)にて、残念石を建物の素材として使用する、保管場所から動かすことは“文化財としての歴史的価値を損いかねない”との見解を示したのだ。
これに追随して、SNSでも「残念な計画」などと批判の声が上がるはめに。
https://www.jprime.jp/articles/-/30965?display=... 写真は「残念石」使用のトイレ。
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