武力行使に対する見方はガザ地区とヨルダン川西岸で分かれている。武力闘争に対する支持は、ガザ地区では2022年9月の50%から23年12月の56%へと、わずかな上昇にとどまった。一方、ヨルダン川西岸では22年9月の35%から23年9月には54%へと急増し、12月に入って68%に達した。
シカキ氏はこの背景について、ヨルダン川西岸でイスラエル人入植者のパレスチナ人に対する暴行や襲撃が増えたことと関係があると分析する。
ヨルダン川西岸で政党としてのハマスを支持するパレスチナ人は、今年9月から12月の3カ月間で12%から44%へとほぼ4倍に増えた。
一方ガザ地区では、ハマスに対する支持率は9月が38%、12月は42%とほぼ横ばいで推移する。
パレスチナ自治政府のアッバス議長率いる政党ファタハの支持率は、自治区全体で3カ月前の26%から現在の17%にまで急落した。
ただ、シカキ氏によると、現状ではハマスの方が高い支持を得ているものの、10月7日のハマスによる残虐行為の現実を知るパレスチナ人が増えれば、見方が変わる可能性もある。
ハマスが10月7日に犯した残虐行為の映像を見たという人は、ガザ地区では25%だった。同地区の全回答者のうち16%はハマスが戦争犯罪を犯したと答えている。一方、西岸でこの映像を見た人は7%、戦争犯罪だと答えた人は1%だった。
ガザ地区で戦争後もハマスによる統治の復活を望むという住民は、現状でも38%にすぎない。
イスラエルによる占領を終わらせる唯一の方法はイスラエルに苦痛を与えることだとパレスチナ人が信じている現状の中、ハマスは最も効果的に暴力を実行できる政党とみなされているとシカキ氏は解説する。
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