イスラエルがイスラム組織ハマス壊滅を目指し攻勢を強める中、爆撃にさらされているパレスチナ自治区ガザの住民は稼働していない病院などに身を寄せ合っており、人道状況は「世界終末」(国際NGO)の様相を呈している。
国連安全保障理事会で8日、ガザでの即時停戦を求める決議案が米国の拒否権行使で否決されたのを受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「ハマスせん滅に向け正義の戦争を続ける」と宣言。ヘルツィ・ハレビ参謀総長も「攻勢をさらに強める」必要があると語った。
そうした中、AFP記者は9日、イスラエル軍の攻撃を受け一部損壊し、もはや機能していないガザ市のシファ病院で、数千人の住民を確認。敷地は、布やプラスチックを寄せ集めただけの数百のテントで埋め尽くされていた。
ガザの保健当局によると、24時間のうちにガザ中部の町デイルアルバラのアクサ殉教者病院に71人、南部ハンユニスのナセル病院には62人の遺体が運び込まれた。
AFP特派員はナセル病院で、間に合わせの担架に乗せられ子どもや、床に寝かされた負傷者を見た。病院の外では、イスラエル軍の攻撃で炎上する建物の消火作業が行われていた。
英NGOセーブ・ザ・チルドレンのアレクサンドラ・サイエ氏は、「傷口には虫がわき、子どもたちは麻酔なしで切断手術を施されている」と話した。
また、国際NGOオックスファム・インターナショナルのブシュラ・ハリディ氏は「大惨事どころではない。世界終末のようだ」と語った。
https://www.afpbb.com/articles/-/349540... ●ガザ南部で「人道支援作業もはや機能せず」、国連事務次長
国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は10日までに、軍事衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区南部の情勢に触れ、国連はもはや正常な援助活動ができない状況にあるとの判断を示した。
「人道支援事業は機能していない。その機会に恵まれた場合に応じられる程度になっている」と嘆いた。
7日時点での発言で、支援物資を積んだトラックがガザに入ったとしても破壊された道路を苦労して進まなければならず、何とか通行したとしても困っている住民の一部へ水や食料を一部配るだけだと指摘。「率直に言えば、こんな状態が続けられるわけがない」と断じた。
一方で、イスラエル軍による南部での軍事作戦の進め方は、ガザ北部での方法のあからさまな繰り返しと批判した。
イスラエル軍は南部のハンユニス市への侵攻を今月5日以降に拡大し、イスラム組織「ハマス」と激しく交戦しているとされる。
グリフィス氏は「この状況がどこに行き着くのか誰にもわからない。ガザの南部の小さい地区に押し込まれた住民がどこに追いやられるのかもわからない。住民は200万人だ」との危機感を示した。
https://www.cnn.co.jp/world/35212596.htm...
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