現代の地球に生息する唯一の人類であるホモ・サピエンスは、すでに絶滅したネアンデルタール人をはじめとするヒト属と交配していたことがわかっており、
現代人の遺伝子にもネアンデルタール人などから受け継いだ遺伝子が混ざっています。
生物学の学術誌であるCommunications Biologyに掲載された論文では、
「現代人がネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子が、痛みの感受性に影響を及ぼしている」という研究結果が報告されました。
かつてホモ・サピエンスはネアンデルタール人と交配していたため、その遺伝子の一部が現代人にまで受け継がれていることがわかっています。
2020年の研究では、ネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化と関連していることが示されました。(中略)
研究チームは、コロンビアに住む1600人以上のボランティアを被験者として、痛みの感受性を調べるテストを行いました。
被験者のうち56%が女性で、祖先の平均31%がネイティブアメリカン、59%がヨーロッパ系、9.7%がアフリカ系でした。
テストでは前腕の皮膚に刺激性のオイルを塗り、その後プラスチックの棒を押し当てて強い力を加えました。
テストの結果、ネアンデルタール人に由来する遺伝子変異を持つ被験者は、そうでない被験者よりも有意に小さい力で痛みを感じることが判明したとのことです。
フォー氏は、「被験者に圧力・熱・冷たさを加えて痛みの閾値(いきち)をテストしたところ、遺伝子変異はこれらの痛みの感受性に影響しませんでした。
つまり、ネアンデルタール人の遺伝子変異は針で刺すような圧力への反応にのみ影響を与えたのです」と述べています。
これらの遺伝子変異が人類の進化上利点をもたらしたのかどうかは不明ですが、何らかの形で人類の生存に役立っており、
痛みの感受性の高まりは進化的な副作用だった可能性もあると研究チームは考えています。
https://gigazine.net/news/20231125-neanderthal-dna-...
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