〈パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスが運営する保健当局は6日、先月7日に始まったイスラエル軍の攻撃で同地区で殺害された人が1万人を超えたと発表した。イスラエル軍の空爆や地上作戦は北部を中心に激しさを増しているもようで、国連事務総長は同日、ガザの状況を「子どもたちの墓場」と表現した。〉
軍事衝突は開始から1カ月が過ぎたが、沈静化の気配はない。ハマスが運営するガザ地区の保健当局は、イスラエルの攻撃で同地区でこれまで1万22人が殺害され、うち4104人は子どもだと発表した。
1万人超という死者数は、ハマスがガザ地区を掌握した2007年以降に同地区で起きた、イスラエルとハマスのすべての紛争で殺害された人数(国連統計では約5400人)を上回る。
ハマス側が発表する被害者数については、アメリカのジョー・バイデン大統領らが正確性を疑問視している。一方、世界保健機関(WHO)などは、ハマス発表は信頼できる数字だとしている。
ガザ地区北部では5日夜も一晩中、激しい空爆と爆発があった。イスラエルは、戦闘機が過去1日間に450の標的を攻撃したと発表した。
ガザ地区で取材するBBCのラシュディ・アブ・アルーフ記者は、この夜の攻撃はおそらく、この戦争が始まってから最大のものだと報告。イスラエルが地上作戦を拡大しているガザ地区北西部と南西部が主に攻撃されたとした。
同記者はまた、北部ガザ市最大のアル・シファ病院の院長の話として、この攻撃で約200人が殺され、住民らは通信の断絶で救急車を呼べないため、死体をロバや自分たちの車に乗せて病院に運んでいたと伝えた。
同記者によると、通信は6日朝に復旧したが、ガザ市の情報を得るのは非常に難しいという。
イスラエル軍はガザ地区を南北に分離したとしている。ハマスの拠点とされる北部には、少なくとも30万人の民間人が、南部に移動できないか移動を望まないため残っているとみられている。イスラエル軍はその北部の人口密集地域に向けて、前進を続けている。
つづく
【画像】パレスチナ自治区ガザ地区『南部』ラファで、イスラエル軍の空爆後にがれきのそばに立つ少女(10月31日)
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